トップ > 瀬戸毅己作陶展

瀬戸毅己作陶展

2018年3月30日(金)〜4月3日(火)
渋谷区渋谷1-16-14

>>オフィシャルページへ

漆黒の釉面が光を浴びると瞬く星のような大小の斑点が現れてくる「曜変天目」。
素地は鉄分の多い灰黒色の陶胎。これに光沢のある紫黒の天目釉が厚くかかり、あたかも星が瞬くような瑠璃玉虫色の斑紋が表れることから「曜変」(曜=星輝くの意)と名付けられた。

この神秘に満ちた天目に魅せられ、追い求める瀬戸毅己。当苑では、初の個展を開催させて戴きます。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。

 

 

上辺だけのものではない「曜変天目』を再現

志野織部黄瀬戸を追及していた瀬戸が変天目を実見して感動を覚えた1990年、
『中国陶磁史」という論文に出会い、その中にあった天目の組成を調合して焼い
てみると禾目天目を焼くことができた。
これをきっかけに再現不可能とされていた “曜変天目再現” という深淵のような底知れぬ奥義にのめり込んだ。

発心し数年後、漆黒の上釉の中に含まれている金属化合物が、窯の中で複雑に
結晶させることに成功。光線の違いや見る角度によって、青いきらめき微妙な
虹色の光彩を放った星紋が浮かび上がる典型的な曜変天目の特色を捉えた作品を
焼成できた。
2002年10月、日本経済新聞の文化面に『陶磁史上最大の謎 曜変天目復元に挑む』
とあり、静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目茶碗とともに、瀬戸毅己の曜変天目も紹介された。

「徒手空拳から曜変に挑んで12年。だれもその焼成秘密を解明していない、いわ ば陶芸界のフェルマーの問題だからやりがいがあった」と至難の技に挑戦したと
語っている。
その頃から彼の曜変天目を注目し、何度も新作を見させていただき、その出来栄えに驚きながらも「より深みのある曜変天目を」と希って苦言を呈してきた。
2016年の春、「漸く見ていただける良い曜変がとれました」と茶碗とぐい呑の新作を持ってこられた。

それは、上辺だけのものではない素地と釉が一体となった深い紫黒の釉に玉虫色に輝いた星紋が結晶した「曜変天目」であった。

瀬戸毅己の窯はガス窯や電気窯などのコントロールしやすい窯ではない。不安定な窯を年に70回以上焚き、満足のいく作品は、数点しか取れない。
火入から焚き上げまで、一時も窯の火から目が離させない不安定な窯だ。
粉骨砕身して会得した心技をもって、考えることのできるすべての焼成方法を駆使し、酸化、還元、強還元、炭化と焼く度に変えながら際限なくテストを繰り返しながら焼成してきた。

なにより黒い素地に含まれる鉱物を溶かして自然釉の出来る温度を優に越す1320度 ~1360度という高温で天目を焼くことで、窯炎と黒胎の素地から湧き出た恩恵が、芯から滲み出た”深味ある曜変天目”の重要な要素をクリアーして誰にも負けぬ完成へと導いてくれたのだろう。
まさに品格が漂う『曜変』というのに相応しい輝きのある作品のご紹介となった。

しぶや黒田陶苑 黒田草臣

 

 

3月30日よりホームページ上にて出品作品がご覧戴けます。

http://www.kurodatoen.co.jp/current_exhibition/

 

会場 しぶや 黒田陶苑
渋谷区渋谷一丁目十六ノ十四  メトロプラザ一階
03-3499-3225

 

 


関連プロフィール


瀬戸毅己

場所

渋谷区渋谷1-16-14